中学受験の追い込み期、直前期になると、過去問を中心とした仕上げの勉強にとりかかります。塾でも今までの復習と過去問添削が授業の中心です。合わせて入試に出題されやすい内容の授業が多く行われていきます。少しでも最後に得点力をつけるためには、時事問題を含めたトレンドを考慮した対策が欠かせません。
社会では、ほとんどの学校で時事問題が出題されます。その年に起こった出来事をもとに問題が作成されるため、教科書の知識だけでは問題を解くことができません。そこで、教科書で学んだことと、実際の出来事を照らし合わせて知識をまとめていく必要があります。
時事問題は家庭での対策も重要です。とはいえ、受験生は忙しく、なかなか自宅でも時事問題のために時間を割くことができません。そこで、少しでも効率よく学習を進めるために、時事問題の対策としてどのような方法が有効なのかを紹介していきます。ぜひ、家庭学習の参考にしてみてください。
なお、時事問題だけでなく、歴史・公民・地理を含めた社会総合の勉強方法が知りたいという方は下記のページにまとめていますので、そちらも是非参考にしてください。
中学受験における時事問題の取り組み方
時事問題を取り組むにあったっては、どのような対策が必要なのでしょう。家庭でできるポイントを紹介します。
日常的にどのようなことが起きているか家族で話す機会を設ける
受験生になると忙しくて、家にいる時間も短くなるため、なかなか落ち着いてテレビを見る時間が取れません。そのため、意外と受験生は「今どんなことが話題になっているのか」ということを知りません。
そこで、家族で過ごす時間に、今日本や世界ではどのようなことが起きているのかを話す時間を設けるようにしましょう。
細かな説明までを行う必要はありません。まずはどんなトピックスがあるのか、そして我々にどう関係するのか、ということまでを話すことができれば十分です。
塾でも時事問題の授業があるので、家庭での会話で完璧に理解させるのをゴールにするのではなく、授業のときに役立つ下地作りをしていきます。
そのため、知っておきたいキーワードだけは頭に入れられるようにするのを目指しましょう。
興味関心を持たせる話しかけを心がける
時事問題に興味を持つことができると、社会の知識はさらに広がります。知識をもとに社会の仕組みを考えるきっかけにもなります。様々なものごとのつながりを考えること、日常の暮らしについて考えることは、成長するにつれて必要なことです。最終的にはいろいろなものごとを自分で考えられるようにするために、社会科の知識を身につけていきます。
時事問題に興味関心を持つことができるかどうか、というのは社会科の知識を子どもたちが活用することができるようになるか、さらには自分自身でいろいろなことを考える力を身につけられるか、ということに直結するとても大切なことです。保護者が子どもたちにニュースの解説をする際、少しでも理解をさせたいという気持ちから感想や意見まで述べてしまうことがあります。
あらかじめ答えを教えてしまうこと、さらには大人の価値観で判断して子どもに伝えること、をしてしまうと、せっかくの機会をうまく生かすことができずもったいないです。答えを伝えよう、子どもたちの意見を持たせよう、といったゴールを設けようとせず、子どもたちに「考えてみよう」と思わせるのを目指しましょう。答えが出ない会話でも、子どもたちが得られるものは十分にあります。
2023年度入試に向けて確認しておきたい時事問題
では、2023年度入試に向けて、具体的にどのような時事問題に着目しておくとよいのでしょう。確認すべき事柄を紹介していきます。
新型コロナウイルス関連
2022年度入試でも多く出題された新型コロナウイルス関連の問題は、引き続き2023年度入試でも出題される見込みです。リモートワークやソーシャルディスタンスといった生活様式の変化や、感染拡大防止のためにどのような取り組みがされているのか、経済活動との両立はどのようにすればよいのか、といった問題も考えておく必要があります。
キーワードとなる用語の確認はもちろん大切です。世界的な大流行という意味を持つ「パンデミック」や、安倍内閣で言われていた「働き方改革」といった言葉は関連知識としておさえておきましょう。完全な解決までは時間がかかると考えられている問題です。私たちの生活の様々なところに関連する問題でもあります。
そのため、時事問題対策として勉強するのはもちろんですが、様々な部分で「自分はどう思うか」「自分ならどのような行動をするのか」という意見を持っておきたい問題です。家族で話し合う機会を設け、子どもたちにも問題意識を持たせ、自分なりの意見を考える機会を作ることを心がけておきましょう。
東京オリンピック・パラリンピック
2021年の最も大きなトピックの一つです。オリンピックやパラリンピックのある年には、多くの学校の入試問題で関連した問題が出題されます。とはいえ、世界地理は中学受験の学習範囲ではありません。そのため、入試問題では世界の国の位置を問うような問題は出題されず、外国との関係性についての問題が出題されるのが一般的です。日本への輸出の状況や、外国の様子、移民や難民の問題といったものは出題されやすいのでチェックをしておきましょう。
ほかにも、オリンピックに関連して、過去の東京オリンピックについての問題が出題されたり、東京の地理や歴史が出題されることもあります。例えば、1964年の東京オリンピックではマラソンで甲州街道をコースとして使用したということで街道名を答えさせる問題が出題されたり、鉄道が整備され東海道新幹線が開通したことが出題されたりしています。このように、今回のオリンピックについてだけでなく、前回のオリンピックについても確認しておくことが大切です。
時事問題対策はいつから行うか
時事問題の対策はいつから行い始めるとよいのでしょう。始めるタイミングと取り組み内容を紹介します。
6年生になったら少しずつ家庭内で話題にしておく
本格的な時事問題の対策はしなくてもよいのですが、今どんなことが起きているのか、入試問題で取り上げられそうな話題としてどのようなものがあるのか、ということは6年生になったら少しずつ知る機会を設けるよう意識をしておきましょう。
本格的な対策は冬休み以降
多くの塾では9月以降から過去問対策が進み、冬期講習から最終の仕上げに入ります。この仕上げの時期に時事問題に取り組むのが一般的です。塾で時事問題対策の講座が開かれたり、時事問題対策の問題集が配布され、授業で解説がされたりします。
入試問題の作成と印刷の兼ね合いがあるため、多くの学校では11月までの事柄が時事問題として出題されます。逆に、12月以降に起きたことは入試問題で出題されません。そこで、出題される内容が更新されなくなる冬休み以降に仕上げのために塾の授業で時事問題が取り扱われるのです。
時事問題対策には「時事問題ターゲット」
時事問題の対策をする際、家庭で子どもたちに話そうとしても、保護者もうまく説明ができないという場面もあるでしょう。大人にとっては常識や一般的とされている知識や考え方も、子どもたちからすると「知らない」「初めて聞いた」というものも多いです。そういった言葉を聞くと、思わず保護者も「塾で習ってないの?」とか「こんなことも知らないの?」とかといったネガティブな言葉を言ってしまうこともあります。
また、知らないといわれて解説しようと思っても、子どもたちが理解できる言葉にするという作業は意外と難しいです。そこで、子どもたちにうまく時事問題の解説ができない、家庭で対策は難しそう、と感じたら、スタディアップの教材の一つである「時事問題ターゲット」を活用してみてはいかがでしょう。
最近では様々な学習塾や、出版社から時事問題対策の問題集や参考書が販売されています。しかし、そういったものよりも時事問題ターゲットが選ばれるのには3つの理由があります。
11月下旬までの時事問題が掲載されている
一般的な時事問題対策の問題集は11月ころに出版されるため、10月までの話題が掲載されます。今までは、印刷の都合もあり、入試問題も10月までの話題が多かったためそこまで問題ではありませんでした。
しかし、最近では印刷技術が進化したことで、入試問題の印刷に時間がかからなくなったため、11月の話題も出題されることが増えています。ここは受験生の差がつくポイントになるため、今後も11月のニュースが問題として出題する学校は増える見込みです。
時事問題ターゲットなら、12月1日発売であるため、11月中旬までのニュースに基づいて問題の作成がされています。そのため直前までのニュースの内容に対しての対策が可能です。周りの受験生に差がつけられるとともに、万全の態勢で受験に臨むことができるのです。
時事問題の解説が簡潔で分かりやすい
時事問題対策はその年によって必要な知識が変わります。普段なじみのあるものが出題される年もありますが、多くの子供たちにとってはあまり興味関心がないもの、日ごろあまり知る機会がないもののほうが多いです。そのため、対策として授業を受けてもあまり頭に入らない、内容が理解できないということも少なくありません。
このテキストでは、その年の入試に出題されそうなニュースから、覚えておきたい知識を最小限に絞り込んで問題が作成されています。覚えるべきところが穴埋めになっているため、子どもたちもポイントがつかみやすいです。覚えるべき内容がきちんと頭に入っているかを確認するための問題集もあるので定着度も確認しやすいです。
CD教材で目と耳から学習できる
一般的な時事問題対策の教材は、教科書タイプのものがほとんどです。しかしこの教材はCD教材になっていて、教科書に書かれている内容のオリジナル講義も聞くことができます。CDであれば塾への域帰りの車の中でも聞くことができるので、無理なく勉強時間の確保が可能です。何度も聞き返すことができるので、わからない部分、苦手な部分は理解ができるまで繰り返すこともできます。
さらにCDは2倍速のものも付いており、忙しい場合や何度か聞いてある程度頭に入っている場合には、2倍速で勉強時間を短時間にすることもでき、便利です。やはり、目からの情報だけでなく耳からも情報も入ったほうが知識は頭に残りやすくなります。限られた時間で最大限に実力をつけることができる教材といえるでしょう。
最後の仕上げに有効なフラッシュカード時事問題
時事問題ターゲットには、付録としてフラッシュカード時事問題もあります。50枚のカードにはその年の重要な時事問題のキーワードが書かれており、教材で触れている重要事項はもちろんすべてに書かれています。受験前はとても忙しく、すき間時間ができたら少しの時間も無駄にはできません。フラッシュカードのような持ち歩いて勉強できるものは、塾や試験の合間のような空き時間はもちろんのこと、自宅でもちょっとした空き時間に活用できて便利です。
まとめ
今回は時事問題への取り組みについて紹介をしました。ここ数年、時事問題の出題割合は上がっており、今後も多くの学校で取り扱われる見込みです。最近では印刷技術が進化して、入試問題の印刷もスピーディーに行えるようになったために、11月のような入試直前のニュースも問題として出題されるようになっています。
直前の話題でも対応できるよう、6年生になったら日頃から、世間で話題になっている問題については家族で話して情報を耳に入れ、自分なりの考えを持つ習慣を身につけておきましょう。
時事問題対策は塾でも行われますが、内容が難しく思うように理解が進まないということも多いです。家庭で分かりやすく解説をしても、保護者の説明が理解できなかったり、説明をしていてケンカになったりするということも少なくありません。
もしも家庭で時事問題対策がうまくいかないという場合には、スタディアップの時事問題ターゲットを活用することをおすすめします。11月までのニュースが入っており、内容も簡潔で分かりやすく、CD教材とフラッシュカードも付いてくるので、時事問題の知識を万全に仕上げることができます。